「アゴが小さくて横顔がのぺっとしている」「アゴが無いように見えるのが気になる」というお悩みは、歯列矯正で解消できるかもしれません。
アゴが小さい原因によって治療でアプローチする方法が異なります。今回のコラムでは、以下について詳しく解説します。
- アゴが小さい原因
- 症状別・治療方法
- アゴが小さい人が歯列矯正するメリット・デメリット
その他、抜歯矯正が必要なのか、アゴが小さいと保険適用になるのかどうかについてもお話していますので、是非最後まで読んでみてくださいね。
アゴが小さい原因と主な治療方法
アゴが小さい原因は、大きく分けて3つあります。
- 歯並びに問題があって、アゴが小さく見えているケース
- アゴの骨自体が小さいケース
- アゴの骨の位置が後ろに下がっているケース
歯並びの問題なのか、それとも骨の大きさや位置の問題なのかによって治療方法が変わってきます。
一つずつ解説します。
歯並びに問題があって、アゴが小さく見えているケースの治療法
このケースでは、歯並びが悪いことで噛み合わせに問題が生じていて、相対的にアゴが小さく見えたり、アゴがないように見えていることが多いです。
歯列矯正を行って歯並びや噛み合わせを整えることで、上下のアゴのバランスが整ってアゴが小さい・アゴがないように見える状態が改善されるでしょう。
歯列矯正には、透明なマウスピースを歯につけるマウスピース矯正と、歯に金具を装着するワイヤー矯正があります。
それぞれの治療方法の特徴は、コチラの記事で詳しく解説しています。
関連記事:マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらが効果的?メリット・デメリットを一覧でご紹介
アゴの大きさや上下のアゴのバランスを確認するためには、クリニックで精密な検査を行って判断する必要があります。そのため、自分ではアゴの骨自体が小さいと思い込んでいても、実はアゴの位置に問題があって、歯列矯正で解決できることがあります。
アゴの骨自体が小さいケースの治療法
アゴの骨が基準よりも小さく、上下のアゴの大きさのバランスが悪い場合、外科手術で骨切りを行って骨の大きさ・長さを調整することが多いです。このタイプは歯列矯正のみでの改善は難しく、外科矯正での対応になりやすいです。
外科矯正とは、アゴの骨を切る外科手術と歯列矯正を組み合わせた治療方法です。外科矯正についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:外科矯正ってどんな治療?リスクは?普通の歯列矯正と何が違うの?
アゴの骨が後ろに下がっているケースの治療法
噛み合わせが悪いなど、何らかの理由で下アゴが後ろに下がっていると、アゴが小さい・アゴがないように見えやすくなります。
このケースでは、上下のアゴの位置のずれがどれぐらいあるかによって歯列矯正で治療が可能なのか、外科矯正が必要なのかが異なります。
上下のアゴの位置のずれが小さい場合は、歯列矯正で歯並びを整えて下アゴの位置を前に出すことでアゴの状態を改善できるでしょう。
上下のアゴの位置のずれが大きい場合は、外科矯正の適応になる場合が多いです。
アンカースクリューを併用することで外科手術をしなくてすむケースも
従来の歯列矯正では、骨の大きさに問題があったり、アゴの位置のずれが大きいと骨を切る外科矯正をしなければならない場合がほとんどでした。
しかし、近年のアンカースクリューの進歩により、手術をしなくても完了することが増えてきています。この場合、アゴの大きさは変化しませんが、アゴの位置を移動させることによりアゴ先を作り、アゴが小さい、アゴがない状態から立体感のある顔立ちへとある程度変化をもたらします。(※アンカースクリューを使えばアゴが出る事を保証するわけではありません。)
ただし、外科手術をした時ほど劇的な変化ではないことと、外科手術が必要なケースもまだまだあるので注意が必要です。
「アンカースクリューって何?」という方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考になさってくださいね。
関連記事:矯正用アンカースクリューで何が変わる?顔が短くなる?横顔は変わる?歯列矯正を効率的にする秘密をまるごと解説!
アゴが小さいとなりやすい歯並びとその治療法
出っ歯・口ゴボ
アゴが引っ込んでいたり、アゴが小さかったりすると、相対的に上アゴが出ていることが多いです。そのため、出っ歯になったり、口元の突出感も出やすく口ゴボに見える事があります。
骨格に問題がない出っ歯・口ゴボの場合は、歯列矯正で出ている前歯を後ろに下げつつ、アゴの位置を合わせていくことで症状を改善します。下アゴが前に出るので、自然とアゴが小さく見えていた状態も良くなりやすいでしょう。
下アゴ自体が小さい、あるいは下アゴが著しく引っ込んでいるタイプの出っ歯や口ゴボの場合、外科手術によるアゴ骨の骨切りを行って症状の改善を図ることもあります。実際にどんな治療を行うかは担当医師の判断になります。
八重歯・ガタガタ(叢生)
アゴが小さいと、歯の大きさに対して歯の並ぶスペースが足りない傾向があります。そのため、歯が綺麗に並ぶことが出来ず、八重歯になったり、全体がガタガタの歯並びになりやすいです。
骨の大きさに問題がなければ、歯列矯正で歯並びが整うでしょう。このタイプはもともと歯の並ぶスペースが少ないので、抜歯矯正になることが多いです。ただ、歯の大きさとスペースの不足分には個人差がありますので、非抜歯でできることもあります。
アゴが小さく、上下のアゴの位置に大きなずれがあるタイプの八重歯・叢生は、外科矯正の適用になるでしょう。アゴ骨の骨切りを行い上下のアゴの位置や大きさを整えることで、歯並びを改善します。
アデノイド顔貌
横から見るとアゴがない、アゴの輪郭がはっきりしない、いわゆるアゴ無しの状態はアデノイド顔貌と呼ばれています。
アゴが小さい、あるいはアゴが後ろに下がっているために起こるものです。
アゴが下がっている程度が小さければ、歯列矯正でアゴの位置を調整することでアゴを前に出しつつ、アゴ先を作ってアゴが無い状態を改善していきます。
アゴが著しく小さい場合や極端に後ろに下がっている場合は外科矯正が必要になるでしょう。
関連記事:歯列矯正で大人のアデノイド顔貌は治せる?美容整形も考えるべき?セルフケアもご紹介!
アゴの調整にオートローテーションを行うことも
アゴの大きさに問題がないのに下アゴの位置が後ろに下がっているアデノイド顔貌の場合、アゴが時計回りに回転してしまっていることがあります。
下アゴを反時計回りに回転するオートローテーションを起こすことで、アゴ先の位置が前に出て、顔立ちに立体感が生まれます。
ただし、オートローテーションは意図的に引き起こすものではありません。歯列矯正で歯を動かし、噛み合わせを調整することで起こる動きです。
そのため、劇的に変化が起こるとは言い切れません。どうしてもアゴ先をしっかりと前に出したい、アゴの位置を調整したいということであれば、美容外科を検討するのがいいでしょう。
オートローテーションはアンカースクリューを用いて行うこともあります。
関連記事:歯列矯正のオートローテーションって何?顔は変わる?顎は出る?引っ込む?
アゴが小さい人の歯列矯正で抜歯は必要?非抜歯で済む方法はある?
アゴが小さい場合、アゴの大きさに対して歯の並ぶスペースが少なく、抜歯矯正が必要になる傾向があります。ただ、歯の大きさとスペースの不足分には個人差がありますので非抜歯でできることもあります。
アゴの大きさに問題がなく、後退していることでアゴが小さく見えているケースでは、非抜歯でできる可能性が高いです。
歯の表面を薄く一層削ることでスペースを作るIPRという方法や、アンカースクリューを利用することで抜歯をしなくてすむケースもあります。
関連記事:マウスピース矯正で歯を削るとどうなる?リスクや失敗例も合わせてIPRについて詳しくご紹介
ただし、抜歯が必要なのに抜きたくないからと無理やり非抜歯で治療を進めないように注意してください。スペースが足りない部分に歯を並べようとすると、並びきらずに歯が外側に広がっていってしまうからです。
上下のアゴのバランスや、歯の大きさなどを加味しながら抜歯するかどうかを判断し、適切な治療を選択してくれるドクターを選ぶことが大切です。
関連記事:歯列矯正って抜歯するの?抜歯しなくていい歯並びはある?
私の場合は歯列矯正でどう変わる?どんな治療が必要なの?
ご自身が歯列矯正でどう変わるか知るのは、歯科医師に相談するのが近道!
なぜなら歯の動きは、歯根や歯の周りの骨、アゴや骨格などを総合的に見て、歯科学的な観点で考える必要があるからです。
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「自分は歯列矯正でどうなる?」「費用や期間はどれくらい?」などのお悩みも、歯科医が回答してくれます。また、全国さまざまなエリアに提携クリニックがあります。
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インタビュー・体験談
アゴが小さい人が歯列矯正をするメリット・デメリット
〇 メリット |
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× デメリット |
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メリット
外見のコンプレックスが解消されやすい
アゴが小さいと、出っ歯に見えやすかったり、口元が突き出ているように見えることがあります。また、横から見たときに下アゴがないのでEラインも崩れている傾向が。アゴ先にメリハリがないので、二重アゴの原因になることもあります。
歯列矯正を行ってアゴの位置が改善すると、口元の突出感が落ち着きやすくなります。アゴ先もできるのでEラインが整いやすくなったり、二重アゴになりにくくなることもあります。
虫歯や歯周病予防に繋がる
アゴが小さい方は、出っ歯や口ゴボ、八重歯や歯のガタガタといった歯並びになりやすいです。こういった歯並びは歯磨きしても磨き残しが多くなりやすいため、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
歯列矯正で歯並びが整うと、ブラッシングがしやすくなるので磨き残しも少なくなり、虫歯や歯周病予防に繋がりやすいです。
顎関節症が改善しやすい
アゴが小さいと、アゴの調和が崩れていることが多く、噛み合わせも悪い傾向があります。
その場合、アゴに負担がかかるので顎関節症になっていることも。
歯列矯正で歯並びと噛み合わせを整えることでアゴの負担が減り、顎関節症の症状にも改善がみられる場合があります。
全身の健康状態が良くなりやすい
アゴが小さいと歯並びや噛み合わせが悪いことが多く、アゴだけではなく顔の筋肉や首、肩の筋肉にも負荷がかかりやすいです。頭痛や肩こり、腰痛を引き起こしたり、全身の歪みに繋がることもあります。
また、アゴが小さいとアゴ周りのスペースも狭いので気道が狭くなっていびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因になり得ます。
歯列矯正を行ってアゴの状態を改善することで、頭痛や肩こり、腰痛、そして全身の歪みの改善に繋がるだけではなく、いびきやSASの予防にもなるでしょう。
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デメリット
抜歯が必要な傾向がある
アゴが小さいということは、歯の並ぶスペースが不足している可能性が高いです。そのため、傾向として抜歯が必要になりやすいです。アゴが小さいことでお悩みの方は、抜歯矯正する可能性が高いと考えてもらったほうがいいでしょう。
ただし、アゴの大きさや歯並び、歯の大きさには個人差があります。アゴが小さくても非抜歯で歯列矯正できることもあり、ケースバイケースです。
矯正器具の見た目が気になることがある
使用する矯正装置の種類によっては、見た目が目立つので治療中に気になってしまうこともしばしば。
透明で目立ちにくいマウスピース矯正に対して、金具を表側に装着する必要があるワイヤー矯正では金属が強調されやすく、気にされる方も多いです。ただ、ワイヤー矯正でも金具を装着する位置を舌側にしたり、ワイヤーの色を白にすることで目立ちにくくなる方法もあります。
どちらの矯正方法もメリット、デメリットがあるのでクリニックでしっかりと相談してから矯正方法を決めましょう。
治療中に痛みを伴いやすい
歯列矯正中には、以下のような痛みが起きることがあります。
- 歯を移動させる痛み
- 噛むときの痛み
- 装置がが口の中や頬の粘膜、舌に当たる痛み(ワイヤー矯正)
マウスピース矯正であっても歯を動かす痛みはありますが、ワイヤー矯正に比べて痛みは少ないでしょう。痛みに弱い方はマウスピース矯正を検討してみるといいかもしれません。
関連記事:マウスピース矯正って痛いの?痛みの原因や対処法、ワイヤー矯正との比較についてもご紹介
矯正中に虫歯や歯周病になるリスクがある
歯列矯正すると歯並びが綺麗になり、虫歯や歯周病予防に繋がります。ですが、歯列矯正中は歯磨きがしづらいのでリスクは高いままです。
特に、ワイヤー矯正は金具に食べ物が挟まりやすく、細かく丁寧に歯磨きをする必要があるので注意してくださいね。
よくある質問
アゴが小さいのに抜歯矯正すると頬コケしたり、口元が引っ込みすぎるって本当?
上アゴが平均よりも小さく、さらに下アゴが小さいために出っ歯になっているケースで抜歯矯正を行うと、頬コケが起きる可能性があります。抜歯によって、もともと小さかった上の歯並びがよりコンパクトになるためです。
また、出っ歯や八重歯で抜歯をし、空いたスペースを使って必要以上に歯を後ろに下げすぎた結果、口元が引っ込みすぎることがあります。
ただ、抜歯したからといって必ず頬コケが起きたり、口元が引っ込みすぎるわけではありません。
抜歯が必要なケースと、非抜歯で治療可能なケースを見極めることが非常に重要です。
抜歯を行うかどうかは、歯科医師が適切に分析を行い、慎重に判断する必要があります。そのため、矯正医院選びが大切になってくるでしょう。
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アゴが小さいまま放置するとどうなる?
アゴが小さくても見た目にコンプレックスを抱えていない、あるいは健康上の問題がなければ放置していても問題はないでしょう。
ただ、アゴが小さいことで将来的に何らかの健康トラブルを抱えやすいかもしれません。例えば呼吸がしづらくなったり、口呼吸を引き起こして歯並びに悪影響を及ぼす可能性もあります。無呼吸症候群(SAS)や顎関節症を引き起こすことも。
アゴが小さい方は、こういった健康上のリスクは念頭に置いておきましょう。
アゴが小さい人の歯列矯正は保険適用になる?
アゴの骨が小さく上下のアゴの位置や骨格に著しい問題がある場合、顎変形症の診断を受けると歯列矯正が保険適用になります。
顎変形症と診断され、歯列矯正が保険適用になるためには、以下の注意点があるのでよく確認してくださいね。
- 厚生労働省が指定する「顎口腔機能診断施設・指定自立支援医療機関」でのみ保険適用で矯正治療が可能
- 矯正方法は表側に金具を装着するワイヤー矯正(ワイヤー矯正)のみ
- マウスピース矯正、裏側矯正は保険適用にならない
- 外科矯正を行う必要があり、治療の流れが決まっている(術前矯正→外科手術→術後矯正)
アゴ無し・小さいアゴは自力で治せる?
自力でアゴが無い、アゴが小さい状態を治すのは厳しいです。
アゴが小さい原因は、アゴの位置が後ろに引っ込みすぎている・アゴの骨が小さいことからきています。
骨の大きさは手術をしない限り変わりませんし、アゴの骨を前に出そうとしても、自力で押してもまず出ません。
逆に顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があるので無理にアゴを前に出してみたりするのはやめましょう。
関連記事:自力で歯の矯正はできる?自分でできるセルフケアもご紹介します
まとめ
アゴが小さいことでお悩みの方は、歯列矯正や外科矯正を行うことで状態が改善しやすいです。
アゴが小さい原因によって、歯列矯正のみで改善が期待できるのか、外科矯正が必要になってくるのか変わってきます。
精密検査を行って原因を特定し、綿密な治療を行うことでアゴが小さいお悩みが解決しやすくなるでしょう。
アゴが小さい、アゴが無いことでお悩みの方は、まずはカウンセリングを受けることをおすすめします。
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気になっている方は、是非一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
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※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。
主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
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アットスマイル矯正を受けた人の声
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