近年、インターネットなどで歯並び矯正を謳ったマウスピース商品が、数千円程度で販売されているのを見かけるようになりました。
歯並びに悩んでいる人にとっては、1万円以内で通院もせずに歯列矯正ができるとあって、魅力的に見えてしまうかもしれません。
でも、市販のマウスピースでの歯列矯正にはリスクがあります。
そこで今回は、市販のマウスピースで歯並びは治せるのか、専門の歯科医による治療との違いについても解説します。歯列矯正の費用を抑えるコツなどもご紹介していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください!
結論:市販のマウスピースでは矯正できない
まず第一に、市販のマウスピースのほとんどは歯ぎしりやスポーツ時の衝撃などから「歯を保護すること」が目的とした商品であり、歯並びを矯正する効果はありません。
もともとの目的が異なるため、クリニックで行うマウスピース矯正を市販のマウスピースで代用することはできないのです。
また、市販のマウスピースの中には、歯列矯正効果をうたった商品もあるようですが、そもそも歯列矯正は非常に専門性の高い治療であり、法律上でも必ず歯科医師の診断のもとで行われるものです。精密な検査や歯科医師のサポートがない市販のマウスピースを、矯正目的で使用した場合、深刻なトラブルが発生する危険性があります。
※日本矯正歯科学会でも、市販のマウスピースを用いた矯正に関して、以下のような見解を示しています。
1) インターネット上で、歯科医師が介在しない形でマウスピース型製品が販売され、歯列の改善への有効性を謳うケースが出てきています。矯正歯科治療は、正確な診断や精密な治療計画に立脚して行われるべき医療行為であり、誤ったマウスピース型製品の使用は予期せぬ大きな問題を引き起こす可能性があります。患者自身の独自の判断でこれらの製品を使用し歯の移動を行うことは、歯科医学的にも非常に危険であるため絶対に避けてください。
2) マウスピース型矯正装置による治療には、以下の利点・欠点を踏まえた適応症の判断や専門的知識を要することから、大学病院等や学会が認める基本研修機関において十分な矯正歯科領域全般にわたる基本的な教育と臨床的なトレーニングを受けた歯科医師による診察、検査、診断を基に治療を行うことを推奨します。
参考: 公益社団法人 日本矯正歯科学会 - ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解(外部リンク)
起こりうるトラブルについては、次の項目で詳しく解説します。
市販のマウスピースで矯正するリスク
市販のマウスピースを使って歯列矯正を行った場合、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 歯並びや噛み合わせが悪化する
- 歯の寿命が短くなる
- 余計な費用が発生する
詳しく見ていきましょう。
①歯並びや噛み合わせが悪化する
マウスピース矯正で正しく歯を動かすためには、マウスピースがご自身の歯に密着していることが必要です。
市販のマウスピースでは、患者さんごとの歯並びにぴったり適合しないため、適切な矯正力が生まれず正しく歯を動かすことはできません(※成形できるタイプのものであっても、どうしても隙間ができます)。
また、歯を動かすためには、適切な弱い力を継続的にかけ続ける必要があります。そして、定期的にマウスピースを取り替えたり、アタッチメントなどの補助装置を利用して歯を適切な位置に誘導していくのです。
ところが市販のマウスピースでは、力を適切に加減することや、マウスピースをその都度最適なものに交換したりアタッチメントの装着もできないため、歯を適切に誘導することができません。
万が一歯が動いたとしても、医学的根拠のない方法で治療計画もなくむやみに歯を動かせば、歯並びや噛み合わせは理想に近づくどころか、余計に悪化してしまう可能性が高いです。
さらに、市販のマウスピースでは専門の歯科医師による診察がないために、異変に気づくことも難しく、気づいたときには取り返しのつかないことになっているかもしれません。
関連コラム:マウスピース矯正で歯が動く仕組みを解説!マウスピースで本当に歯並びがキレイになるの?
②歯の寿命が短くなる
歯を正しく・安全に動かすためには、至適矯正力(してききょうせいりょく)といって、適切な力加減があります。これは歯科医による検査・診断によってコントロールされています。
しかし市販のマウスピースでは、歯科医による診断がないため適切な力をかけることができません。むやみやたらに力をかけ過ぎると、歯根(歯の根っこ部分)への負担が大きく、歯肉退縮や歯根吸収を起こしやすくなります。
※歯肉退縮とは、歯ぐきが下がって歯根が露出してしまうこと。歯根吸収とは、歯の根っこが吸収されて短くなったり変形したりすること。
さらには、歯の神経にもダメージを受けたり、歯根が折れてしまう場合などもあり、最悪の場合、歯がダメになってしまうかもしれません。
関連コラム:歯列矯正で歯根にトラブル?!どんな症状があるのか、原因と予防法まで徹底解説します!
③余計な費用が発生する
市販のマウスピースを用いたことで歯並びや噛み合わせが悪化したり、トラブルが発生した場合、それを治療するために余計な費用が発生してしまいます。
しかも、もともとの歯並びを歯列矯正で治療する場合以上に費用や期間がかかったり、治療が大変になってしまう可能性も。
きちんと歯並びを治療したいと思うなら、はじめから専門のクリニックで治療を受けることをおすすめします。
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インタビュー・体験談
歯科医によるマウスピース矯正治療と市販のマウスピースの違い
マウスピース矯正をするのならば、市販ではなく専門の矯正歯科医による治療がおすすめです。その理由は、以下の表のような違いがあるからです。
|
歯科医のマウスピース矯正 | 市販のマウスピース |
精密検査や診断・治療計画 | あり | なし |
マウスピースの作成 | オーダーメイドで作成し、定期的に交換 | 既成もしくは個人で作成。交換等は自己判断 |
治療中 | 歯科医師による定期的な診察や調整、応急処置等のサポートがある | マウスピースは買い切りで、すべて自己責任 |
治療期間 | 治療計画により設定されている(おおよそ数ヶ月~3年が目安)※歯並びによります | 不明 |
治療終了後 | 保定装置を装着 | 特になし |
専門の歯科医によるマウスピース矯正は、スキャナーで歯並びなどお口の中の情報を採取・分析したのち、治療計画にもとづいて完全オーダーメイドでマウスピースを作成します。
その際、現在の歯並びからほんの少し理想の歯並びに近い形に設計されているのです。そのため、マウスピースを装着すると歯に圧力がかかり、決められた期間ごとにマウスピースを取り換えることで徐々に理想の歯並びに近づいていく仕組みになっています。
治療にかかる費用や期間は治療計画の段階で決まっており、歯科医師と患者さんとの同意の上で治療が行われます。治療中は定期的に歯科医師による歯の動きのチェックや微調整があったり、急なトラブルが起こっても対応してもらえるなど、正確かつ安全性の高い治療が受けられることがメリット。
さらに治療完了後はリテーナーと呼ばれる保定装置を作成し、歯並びが安定するまで経過を診てもらえます。
一方で市販のマウスピースは、すでにできているマウスピースを使用したり、中にはご自身でマウスピースを溶かして歯にはめるという商品などもありますが、いずれにせよご自身の歯並びにピッタリに合ったものではなく、矯正効果は望めません。
マウスピースの定期交換もありませんし、もちろん歯科医師による歯の動きのチェックもないため、適切に歯が動いているのか、問題が起こっていないかなどを確かめることは不可能です。
もちろん治療計画もないのでいつ終わるのかはわかりません。
市販のマウスピースを使用する際は、すべて自己責任であることを忘れないようにしましょう。
歯列矯正の費用を安く済ませるコツ
市販のマウスピースを使って矯正することの危険性は分かったけど、やっぱり矯正費用が気になるという方のために、矯正費用の負担を抑える5つのコツをご紹介します。
- 医療費控除
- クレジットカード分割払い
- デンタルローン
- クリニック選びをこだわって費用の負担を減らす
- 意外な落とし穴あり。費用を増やさないように矯正中も努力する
こちらのコラムで詳しく解説しています。高額だからと治療を諦める前にぜひチェックしてみてくださいね。
関連コラム:お金がないけど歯列矯正したい!貯金なしでもOK?安く矯正できる?矯正費用の負担を減らす方法5選!
それでも100万円~200万円かかる事もある歯列矯正。アットスマイル矯正なら30~60万程度の価格を目安に歯列矯正することが出来ます。
アットスマイル矯正の矯正事例
この価格帯を実現できるのは世界34カ国以上で導入され、世界中の歯科医に選ばれているマウスピース「クリアコレクト」を使っているから。世界中の工場で大量生産されているからこその価格です。
数十万人の症例データを元に実際に歯がどのように動いていくかをシミュレーションするので、治療計画の精度が高く、前歯から奥歯まで歯並び全体の治療が可能です。
詳しくはこちら:クリアコレクトはどんなマウスピース矯正?費用や症例など詳しくご紹介
理想の歯並びのために自分でできること
日常の癖を見直す
日常的に行っている「癖」は、些細な力であっても、毎日継続的に加わることで歯並びや噛み合わせに影響を及ぼしてしまうこともあります。その力はなんと矯正装置の数倍とも言われます。
ですので、もし心当たりがある方は、なるべく早いうちに対処することが、整った歯並びのための第一歩です。
歯並びに影響してしまう癖の一例
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 指しゃぶり
- 爪を噛む
- 唇を巻き込む
- 舌で歯を押す
- 片側のみでものを噛む
- 頬杖
- 口呼吸
- うつ伏せ寝、横向き寝
- 猫背など悪い姿勢
- カバンを持つのがいつも同じ側
舌の癖や口呼吸などについては、MFT(口腔筋機能療法)といったお口周りのトレーニングを行うことで改善する場合もあります。MFTの指導を行っている歯科医院もありますので、確認してみるのも◎
口腔ケアを徹底!お口のトラブルは放置しない
虫歯や歯ぐきの炎症を放置していると、歯を支える骨がなくなってきてしまったり、歯が抜けてしまうこともあります。すると歯が動いたり、倒れてきて歯並びが乱れる原因になるのです。
虫歯によって歯の形状が変化することで、噛み合わせが変わってしまうことも。
また、親知らずは生え方や向きによっては直接歯並びに影響を及ぼしたり、周囲の歯が虫歯・歯周病になりやすいケースもあります。場合によっては抜歯を検討することも必要になってくるでしょう。
こういったトラブルを防ぐためには、日々のお手入れが何より大切。そして定期的に歯科医院で専門的なケアを受けることをおすすめします。
まとめ
市販のマウスピースは、歯の保護を目的としている商品がほとんどであり、歯列矯正を行うことは困難です。むやみやたらに歯に力を加えれば、歯並びや噛み合わせが悪化したり、最悪の場合、歯を失うリスクもあるためおすすめできません。
正確かつ安全に歯並びを治療したいと思うなら、専門のクリニックで治療を受けましょう。歯科医による歯列矯正では、医学的な根拠に基づいて綿密な治療計画を立て、歯並びやかみ合わせを治療します。
歯科医師は、目に見えない歯の根っこや歯の周りの骨、アゴの骨格などの総合的なバランスまで考えて歯を動かしているのです。ここまで考えて治療するからこそ歯が口内の限られたスペースに収まり、複雑な歯並びが噛み合うようになります。
アットスマイル矯正では、歯列矯正に関する専門的な知識と経験が豊富な歯科医師が在籍しています。初回無料でご相談いただけますので、市販のマウスピースを試す前にまずは一度カウンセリングに足を運んでみてください。
アットスマイル矯正なら
\初回相談は無料/
アットスマイル矯正についてざっくり紹介
- 透明で目立たないマウスピースを使った歯列矯正
- 世界34ヶ国以上の歯科医院で使われているマウスピースを採用
- 前歯だけでなく歯並び全体を矯正することが可能
- マウスピース矯正の経験豊富な歯科医院とのみ提携
- 全国さまざまなエリアに提携医院があります
- 目安金額30~60万円。分割払いやデンタルローンにも対応
厳しい基準を満たしたクリニックとのみ提携
アットスマイル矯正では、不安なく歯列矯正をご検討いただけるよう、担当医の治療実績・経験はもちろん、人柄、治療に適した設備、衛生環境など、独自の厳しい基準を満たした医院とのみ提携しております。
-
患者さんのご希望や予算と向き合った治療をご提案します。
-
患者さんの不利益となる誇大表現を行いません。
-
料金と治療の流れをできる限り明確にします。
-
無理な勧誘は行いません。
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信頼性の高い治療器具を使用します。
アットスマイル矯正の料金
初回相談は0円!ご来院ごとの調整料も無料です。
矯正費用は、症例の複雑さや難易度によって変わります。具体的な料金については無料カウンセリングで歯科医に見てもらったうえでお聞きください。
関連コラム:歯列矯正は安くなる?矯正費用の負担を減らす方法5選!貯金無しでも始めたい人は必見!
アットスマイル矯正の矯正事例
アットスマイル矯正では出っ歯やガタガタの矯正はもちろん、奥歯のかみ合わせの矯正にも対応しています。横顔のEラインでお悩みの方もお気軽にご相談ください。
治療内容:透明なマウスピースによる目立ちにくい歯列矯正です。
※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
※自由診療となり保険は適用されません。
※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。
主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。
アットスマイル矯正を受けた人の声
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