ホワイトワイヤー矯正って本当に目立たない？注意点は？使用するブラケットについても紹介します

ホワイトワイヤーとはどんなもの？安全なの？

ホワイトワイヤー矯正で使用する白いワイヤーは、どんな素材でできているのか疑問に思いますよね。

実は、ホワイトワイヤーは大きく分けて以下の2種類に分かれます。

• 銀色のワイヤーを白く塗装したもの
• ロジウムという白い金属で特殊なコーティングをしたもの

どちらかのワイヤーを選択するか、もしくは矯正治療の段階によって使い分けたりします。

それぞれの特徴について詳しく解説します。

銀色のワイヤーを白く塗装したもの

通常の銀色のワイヤーの上から、白色ポリウレタンやステンレス、ニッケルチタンなどで塗装したタイプです。これらの塗装材料は、アレルギーが出にくいとされていたり、健康に悪影響がでないよう配慮したものを採用しています。

また、白色と言っても、真っ白なタイプやオフホワイトなど素材によって色味が若干違います。さらに、光沢のあるタイプや艶消しされたマットタイプなど、その種類はさまざま。

ものによって見え方が異なるため、患者さんに合ったものを選ぶとより歯の色になじみやすいでしょう。

ロジウムという白い金属で特殊なコーティングをしたもの

ロジウムという金属のメッキ液にワイヤーを浸け、電気を流すことでコーティングを施したタイプです。ロジウムはもともと白銀色をしており、身体に害はなく、アレルギーも出にくいとされています。

金属製のワイヤーを金属でコーティングするため、通常の塗装よりも薄くコーティングできる上に非常に丈夫です。さらにロジウムコーティングは、結婚指輪などの加工にも使用されるほど耐磨耗性が強いという特徴があります。

また、ロジウムは光の反射で白く見える仕組みになっているため、完全に白色というわけではなく厳密には白銀色になり金属光沢はありますが、変に白浮きしにくいことが特徴です。

矯正していることが完全にバレないわけではない

ホワイトワイヤー矯正とは、従来の銀色のワイヤーを使用する表側ワイヤー矯正の装置の部分を、歯の色に近い白いワイヤーを使うことで、目立ちにくくした方法。

遠くから見ると歯になじんで見えにくいですが、装置自体は歯の表側につけるため、近くで見れば矯正していることは分かります。

銀色ワイヤーのギラギラした金属感が苦手で、できるだけ目立ちたくないけれど、矯正をしていること自体はバレてもかまわないという方に選ばれています。

ただし、場合によっては目立ってしまうなどの注意点もあるので、詳しくは次の項目をご覧ください。

ホワイトワイヤー矯正の注意点

コーティングがはがれる

銀色のワイヤーを白く塗装をしたホワイトワイヤーの場合、歯磨きなどの摩擦によって表面の塗料が少しずつ剥がれてしまうことがあります。長くても2ヶ月程度しかもたないケースが多いです。

早いと1週間ほどでところどころ剥がれてきて、もともとの銀色ワイヤーが見えてしまい、装置が目立ってきてしまいます。部分的にはがれることでまだらになるため、余計に気になるという意見も。

ワイヤーの交換はおおよそ1ヶ月に1回なので、交換までの期間は剝がれてしまっても我慢しなければなりません。

一方で、ロジウムコーティングは耐摩耗性にすぐれていて非常に剥がれにくいという利点があります。治療中の見た目の変化やメンテナンスが心配な方には、ロジウムコーティングのワイヤーがおすすめです。

ワイヤーの色味が合っていないと目立つこともある

実はホワイトワイヤーは、コーティングの素材や部位、ワイヤーの材質などによって白の色味に違いがあります。つまり、ご自身の歯の色味に合っていないと返って装置が目立ってしまう可能性があるのです。

例えば、黄味がかった歯に真っ白なワイヤーをつけると色浮きしてしまいますし、逆に白い歯に黄色っぽいワイヤーをつけると歯がくすんで見えて気になるかもしれません。

ホワイトワイヤーであればどれでもよいということではなく、可能であれば実際の色味を確認してから決めるとよいでしょう。

治療期間が長くなることがある

ワイヤー矯正では、歯に接着したブラケットという装置の溝にワイヤーを通し、そのワイヤーが少しずつ滑るように動くことで歯に力が伝わります。

銀色のワイヤーを白く塗装をしたホワイトワイヤーの場合、コーティングが剝がれるとワイヤーとブラケットの間に摩擦抵抗が生じ、滑りが悪くなります。ロジウムコーティングのワイヤーにおいても、もともと表面が少しザラザラしているため、ワイヤーが滑る際の抵抗となりえます。結果、歯がスムーズに動きづらくなる可能性があるのです。

また、コーティングの厚みの分、通常の金属ワイヤーよりも細いワイヤーが使われることがあります。そのため、歯にかけられる力が小さくなったり、ワイヤーの弾力性や柔軟性といった性質にも影響を及ぼし、通常の金属ワイヤー矯正に比べると治療期間が長くなるケースもあることを覚えておきましょう。

クリニックが限られる

ホワイトワイヤー矯正はすべてのクリニックで取り扱っているわけではありません。さらに、どんな素材のホワイトワイヤーを採用しているかもクリニックによって異なります。

多くの場合、クリニックのホームページに記載されていたり、電話やカウンセリングで教えてもらえます。ホワイトワイヤー矯正を検討している場合には、事前に確認しておくとよいでしょう。

費用がかかる

ホワイトワイヤー矯正は通常の金属ワイヤー矯正よりも、コーティングの材料費や工数がかかるため、費用が高くなる傾向です。※差額なしで行ってくれるクリニックもあります。

また、ホワイトワイヤーの中でもコーティング剤の違いなどによって費用が異なる場合も。白い塗装をするホワイトワイヤーよりも、丈夫ではがれにくいロジウムコーティングワイヤーの費用を高く設定しているクリニックもあります。

ホワイトワイヤー矯正の費用

一般的に、ホワイトワイヤー矯正は通常の金属ワイヤー矯正よりも10万円ほど高くなることが多いです。また、定期通院時の調整費用も2～3,000円ほどプラスでかかるケースも。

おおよその治療費の目安を、他の矯正方法ともあわせて以下にまとめます。

表側矯正（金属）	表側矯正（ホワイトワイヤー）	裏側矯正	ハーフリンガル矯正	マウスピース矯正
60～150万円	70～120万円	100～170万円	80～150万円	10～130万円

※費用はだいたいの相場であり、歯並びの状況によってこの限りではありません。難しい症例ほど費用は高くなります。

表側矯正では、ワイヤーの種類だけでなく選ぶブラケットの種類によっても値段が変わってきます。ブラケットの種類について次の項目で詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。

ただし、費用については症例の難易度や本人の希望による所があり個人差が大きいです。具体的な金額を知りたい場合は医師に相談しましょう。

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ホワイトワイヤーと組み合わせるブラケットの種類

表側ワイヤー矯正は、ワイヤーの種類だけでなくブラケットの種類も選ぶことができます。せっかくホワイトワイヤーにするのなら、ブラケットも白色や透明のものを選ぶことで、より目立ちにくくすることができるのです。

ブラケットの種類は主に以下の5つ。

• メタルブラケット
• ハイブリッドブラケット
• プラスチックブラケット
• ジルコニアブラケット
• セラミックブラケット

それぞれを使った表側矯正の費用目安と特徴を表にまとめます。

	費用目安	特徴
メタルブラケット	約30～80万円	銀色で目立つ。 強度と耐久性が高く、破損のリスクが非常に低い。 重度のケースにも対応できる。
ハイブリッドブラケット	約35～80万円	白色で目立ちにくい。 プラスチックにセラミックをミックスしたもの。 プラスチックブラケットに比べると強度が高い
プラスチックブラケット	約60～90万円	透明で目立ちにくい。 金属やセラミックブラケットに比べて耐久性が低く、破損する可能性がある。 飲食物によって変色する可能性がある。
ジルコニアブラケット	約65～100万円	白色で目立ちにくい。 メタルブラケットと同等の強度を持ち、破損や欠けに強い。 飲食物で変色しにくい。
セラミックブラケット	約65～100万円	より歯の色に近く、目立ちにくい。 プラスチックブラケットに比べると破損しにくいが、強い衝撃で割れることがある。 飲食物で変色しにくい。

ホワイトワイヤー矯正で治療できる歯並びは？

ホワイトワイヤー矯正は、表側矯正の一つ。表側矯正はもっとも歴史があり、軽度～重度の歯並びや抜歯矯正まで、幅広い症例に対応可能です。

ホワイトワイヤー矯正でも基本的にはほとんどの症例に対応できます。ただし、コーティングを施すために治療上の制約が発生し、治療効率が下がる場合があるため、すべての症例をカバーできるというわけではありません。

ご自身の歯並びがホワイトワイヤー矯正で治療可能かどうかは、専門の歯科医師に検査・診断をしてもらう必要があます。

もっと目立たず矯正したいなら？

ホワイトワイヤー矯正は、歯と同じ白色をした装置を使うのでパッと見は目立ちにくいのですが、やはり装置が歯の表面についている分、全くバレないというほどではありません。

ホワイトワイヤー矯正よりさらに目立たない方法もありますのでご紹介します。

関連コラム：歯列矯正の見た目が気になる…。目立たない矯正方法を徹底比較！自分にピッタリの矯正方法がわかります

裏側矯正

裏側矯正はワイヤー矯正の一種で、その名の通り装置を歯の裏側に装着する方法です。

歯の表側には何もつかないので、外からは矯正装置がほぼ見えません。

ただし、歯の裏側という見えにくい場所で作業をすることは非常に難しく、歯科医師の高度な技術が必要となります。そのため取り扱っているクリニックが限られ、費用も高い傾向があります。

また、装置が裏側にあることで滑舌に影響したり、歯磨きがやりづらい、ブラケットがはずれやすいという側面も。

裏側矯正のメリット

矯正装置が正面からほぼ見えない 口を閉じたときにモコっとしない 口元に物が当たってもお口の中を傷つける心配が少ない

裏側矯正のデメリット

技術が必要なため取り扱っているクリニックが限られたり、費用が高額になる 診療時間が長くなる 食事や歯磨きがしづらい 滑舌・発音に影響する 舌に傷ができやすい 装置がはずれやすい

関連コラム：マウスピース矯正と裏側矯正、どっちがオススメ？徹底比較しました！

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、患者さんごとにカスタマイズしたマウスピースを作成し、1～2週間ごとに交換しながら、歯を動かしていく方法です。

矯正に使うマウスピースは、約0.7mm程度の薄い透明な樹脂で、歯にぴったりフィットするように作られています。そのため、歯と一体化して見えるのでほとんど目立ちません。

そして、ワイヤー矯正との一番の違いは患者さん自身で取り外しができること。自由に取り外せると、食事や歯磨きがいつも通りできてわずらわしさがありません。

ただし、飲食後に歯磨きをしないと虫歯リスクがあがったり、マウスピースの装着時間が足りないと歯が計画通り動かなくなってしまうため、しっかりと自己管理が必要です。

マウスピース矯正のメリット

矯正装置が薄く透明のため、ほぼ目立たない 比較的費用が抑えられる 取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすい 痛みが少なめの傾向 傷や口内炎ができにくい

マウスピース矯正のデメリット

自己管理が必要（装着時間や清掃、破損・紛失管理など） 飲食のたびに装置をはずして歯磨きをする必要がある 対応できない症例もある

関連コラム：

• マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらが効果的？メリット・デメリットを一覧でご紹介
• マウスピース矯正で歯が動く仕組みを解説！マウスピースで本当に歯並びがキレイになるの？

まとめ

ホワイトワイヤー矯正とは、白くコーティングしたワイヤーを用いた目立ちにくい表側矯正の方法です。

ホワイトワイヤー矯正のメリット・デメリットは以下の通り。

ホワイトワイヤー矯正のメリット

従来の金属ワイヤー矯正よりも目立ちにくい 裏側矯正よりは安価 対応できる症例の幅が広い

ホワイトワイヤー矯正のデメリット

完全に矯正装置が見えないわけではない 食事や歯磨きがしづらい コーティングがはがれることがある 金属ワイヤー矯正よりも費用がかかる 治療効率が下がることがある

従来の金属ワイヤー矯正に比べると独特のギラギラ感がないことと、他の目立たない矯正方法よりも対応できる歯ならびが多いことが魅力と言えます。ただし、近くで見れば装置をつけているのが分かりますし、ワイヤー矯正特有のわずらわしさやコーティングが剥がれるなどのデメリットも。

ご自身にとって最適な治療方法を選ぶには、歯並びの適応はもちろんですが、どの程度まで装置を目立たないようにしたいのか、ライフスタイルに合っているのか、目指すゴールなどを考慮することが大切です。

とはいえ自己判断は難しいので、ぜひ一度アットスマイル矯正の無料カウンセリングにてご相談してみませんか。知識と経験豊富な歯科医師が、歯列矯正に関する疑問や心配事を解決いたします。

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治療内容：透明なマウスピースによる目立ちにくい歯列矯正です。
※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
※自由診療となり保険は適用されません。
※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。

主なリスクと補足事項：
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る（後戻り）場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1～3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。

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