歯並びは口元の見た目だけでなく、さまざまな全身の健康に影響を及ぼしていることが研究によって示されています。その一つに、耳鳴りの症状があるんです。
歯並びと耳鳴りが関係しているなんて、にわかには信じがたいですよね。
そこで今回の記事では、歯並びや噛み合わせがなぜ耳鳴りの原因となるのか、そのカギとなるアゴの関節(顎関節)とその周囲の構造をもとに解説していきます。
そもそも耳鳴りとは、周りでは音がしていないはずなのに、耳の中でさまざまな音が聞こえる症状のことを言います。
耳鳴りの原因は、加齢や筋肉のけいれん、病気など非常にさまざま。ストレスや疲れ、睡眠不足をきっかけに発症する場合もあります。
治療法としては、薬物療法や音響療法、認知行動療法などがあります。
歯並びが耳鳴りの原因となる理由
耳鳴りは、耳の問題によって発生していることが多いですが、中には歯並びが根本原因となっているケースもあるんです。
その理由は、顎関節が耳のすぐ近くに位置しているから。
歯並びが悪いと噛み合わせもズレている場合が多く、顎関節にもズレや大きな負荷が生じやすくなっています。
顎関節に負荷がかかると、その近くにある耳に通じる神経や耳管自体を圧迫し、耳鳴りや耳の圧迫感につながる可能性があるのです。
試しに下あごを後ろにずらしてみてください。少し耳にキーンとした感じや圧迫感を感じた方が多いかと思います。このように、特に下あごが後方にずれたかたちで歪みがあると、耳に影響が出やすいのです。
耳鳴りの要因を引き起こしやすい歯並び
歯並びや噛み合わせが悪いと、アゴの筋肉や顎関節に不均一な負荷や過剰なストレスがかかり、これが耳の不快感や耳鳴りにつながることがあります。特に下あごがズレたり顎関節に負担がかかる歯並びは、耳鳴りを引き起こしやすいと考えられます。
※必ずしも下記の歯並びだと耳鳴りが発生するわけではありません。耳鳴りの原因は多岐にわたるため、まずは必ず耳鼻科の診察を受けましょう。
出っ歯・口ゴボ
出っ歯や口ゴボになってしまう原因には、上の前歯が前に傾いているなど歯のみに問題がある場合と、骨格的に下あごが小さかったり後方にズレている場合があります。
このうち、下あごが後方にズレてしまって出っ歯や口ゴボになっているケースでは、顎関節にもズレや負担がかかりやすく、耳鳴りの原因になりうると考えられます。
関連記事:出っ歯を矯正すると横顔美人に?私の出っ歯はどうすれば治る?症例別の矯正方法をわかりやすく解説!
開咬(オープンバイト)
開咬 (オープンバイト)とは主に、奥歯をかみ合わせても、上下の前歯の間に大きな隙間がある状態の歯並びです。
通常であればものを噛んだ時、噛む力は歯並び全体に分散されます。しかし開咬の場合、前歯で噛めないため、噛む力は噛み合っている奥歯のみに過剰にかかってしまうケースが多いです。そのぶん顎関節への負担も大きくなり、耳にも影響が出る可能性があります。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、歯を噛み合わせた時に、下の前歯が上の歯に隠れて見えないくらい、深いかみ合わせのことを言います。
過蓋咬合の方は噛む力が強い傾向にあり、また、上の歯が覆いかぶさって下あごの動きが制限されてしまうため、顎関節に負担がかかりやすいです。
交叉咬合
正常な噛み合わせは、上下の歯を噛み合わせた時に、上の歯列全体が下の歯列よりもやや外側に出ている状態です。しかし交叉咬合では、上下の歯列がどこかで横にずれて、下の歯が外側にきてしまっています。
また、上下の歯列の真ん中(正中)がズレてしまっていることも多いです。
交叉咬合のように歯並びが左右方向にズレていると、噛む力やアゴにかかる力が左右アンバランスになったり、顎関節の位置のズレて負担がかかりやすく、片側の耳に不快感や耳鳴りが発生する可能性があります。
アゴなし・アデノイド顔貌
一見歯はキレイに並んでいるように見えても、横から見るとアゴがない、アゴの輪郭がはっきりしない、いわゆるアゴなしの状態はアデノイド顔貌とも呼ばれます。
アゴなしやアデノイド顔貌は、アゴが小さかったり後方にズレているために起こるものです。下あごが後方にズレてしまっていると顎関節にも負担がかかりやすいため、耳鳴りの原因になりうるでしょう。
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歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりなどの癖があると、顎関節や周囲の筋肉に過度な負担を与え、耳鳴りの要因になっている可能性もあります。
なお、歯ぎしりや食いしばりの原因はストレスやかぶせ物の影響など非常にさまざま。歯並びや噛み合わせの悪さによって発生しているケースもあります。
関連記事:歯ぎしりや食いしばりをしていてもマウスピース矯正はできる?リスクから治療のコツまで徹底解説
歯列矯正で耳鳴りは改善する?
耳鼻科的な要因で耳鳴りが起こっている場合には、歯並びを整えるだけでは改善されません。
しかしながら、歯並びの悪さが耳鳴りの根本原因になっている場合、歯列矯正で歯並び・噛み合わせのズレを整えることによって、アゴの位置や筋肉のバランスが改善され、顎関節への負担や耳鳴りが緩和する可能性があります。
ただし、耳鳴りの原因は多岐にわたり、原因が複数ある場合もあるため自己判断するのは難しいです。まずは耳鼻科の診察を受けましょう。
また、歯並びを自力で治すことは難しく非常に危険です。無理に自分で歯を動かそうとすれば、歯や歯ぐきに深刻なダメージを与えかねません。歯並びをキレイにしたいと思ったら、矯正歯科で専門的な治療を受けましょう。
関連記事:自力で歯の矯正はできる?自分でできるセルフケアもご紹介します
歯列矯正の方法は主に「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の2つがあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる金属の装置を接着してその間にワイヤーを通し、ワイヤーを調整しながら歯を動かしていく方法です。基本的にどんな歯並びにも適応可能なことが特徴(骨格に問題がある場合には適応できないこともあります)。
装置を装着する場所やワイヤー・ブラケットの色などで以下の3つに分かれます。
- 表側矯正:最もスタンダードな治療方法で、歯の表側にワイヤーを装着
- 白色矯正:歯の表側に半透明のブラケットや白いワイヤーを使用することで目立ちにくくする治療方法
- 舌側(裏側)矯正:歯の裏側に装置をつけるので目立ちにくい。ドクターの高い技術力が必要
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、患者さんごとにカスタマイズされた透明なマウスピースを、1日20~22時間装着し、1~2週間ごとに交換することで歯を動かします。目立ちにくいため周囲にバレないように矯正したい方にオススメです。
ただし、マウスピース矯正が適応ではない歯並びもあるため、歯科医にきちんと診断してもらうことが必要となります。
費用面については、マウスピース矯正の方がワイヤー矯正に比べて安く済む傾向があります。矯正治療ごとの治療費の目安は以下のとおりです。
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | 部分矯正 | ||
表側矯正 | 白色ワイヤー矯正 | 裏側矯正 | ||
10~130万円 | 60~150万円 | 80~140万円 | 100~170万円 | 10~70万円 |
※費用はだいたいの相場であり、歯並びの状況によってこの限りではありません。難しい症例ほど費用は高くなります。
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インタビュー・体験談
部分矯正では治せない可能性が高い
部分矯正では、前歯など一部の気になる部分だけを治療します。つまり、奥歯の噛み合わせを治すことはできず、アゴのズレや負担の解消には効果が見込めません。
歯並びが原因で耳鳴りが起きているケースでは、噛み合わせがズレてしまっていることが多いので、部分矯正では改善されない可能性が高いです。
関連記事:部分矯正なら安くできる?デメリットはあるの?症例もあわせてご紹介します!
まとめ
耳鳴りは耳鼻科的な要因が関与することがあるため、まずは耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
耳鳴りは歯並びが関係していることもあります。歯並びが悪いせいで噛み合わせがズレていると、アゴも前後左右にズレが生じて顎関節に過度な負担がかかりやすいです。顎関節へのストレスは顎関節の周りにある筋肉や神経、耳管にまでも波及するため、耳の違和感や耳鳴りを引き起こすことがあります。
ご自身の歯並びや噛み合わせが気になっていいるなら、悩む前にまず矯正歯科にご相談ください。
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関連コラム:歯列矯正は安くなる?矯正費用の負担を減らす方法5選!貯金無しでも始めたい人は必見!
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治療内容:透明なマウスピースによる目立ちにくい歯列矯正です。
※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
※自由診療となり保険は適用されません。
※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。
主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。
アットスマイル矯正を受けた人の声
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